矯正症例156 AngleⅡ級1類 上顎前突 能代市 北秋田市 大館市
初診時25歳、抜歯部位:上顎左右4番、8番、下顎左右5番、8番。治療期間3年8か月。治療費総額124万円(税込み)




この症例も結構難しい症例でした。その難しさについてお話しします。この症例は歯の形に問題があります。下顎の6番の咬頭がすり減っていて下顎左右4番の形が犬歯に近く咬頭がとがっています。5番抜歯の場合は教科書的には辺縁隆線を高さ合わせることになります。がこの症例の場合絶対無理です。その対処法は、咬合調整となります。が、この場合完全な対処は無理です。妥協が必用になります。
似たようなケースとして、バイトが深く仕上がるケースで犬歯が厚い場合も同様になります。
何年か前のアメリカ矯正専門医の調査で、咬合調整をする割合が7割近かったと記憶しています。7割近いというのはうろ覚えですが、ずいぶん多い数字だな記憶しています。 その記事を読んで後、症例をこなしていくうちにその調査結果を自分なりに理解しました。
ところで、話は替わり、ずーと前の話ですが、臨床で時々遭遇する教科書通りには無理な症例に対する対処法に関してある大学教授に相談したことがあります。すると「何とか折り合いつけるんだ!」といわれました。折り合いをつけるといった日本語が最も適切に表しているのだと思います。
教科書的にはとか、理念的にはと言った言葉があります。今ではその意味がよーくわかります。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
1最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 2歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 3装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 4治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 5歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。ブラックトライアングルの出現があり得ます。
- 6ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- 7ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 8治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 9治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 10様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 11歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 12矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 13装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 14装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 15装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 16あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 17治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 18矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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