矯正症例75『叢生を伴うAngle classⅢ骨格性下顎前突 』
治療開始年齢12歳6か月、、抜歯部位:上下顎左右4番、治療期間3年4か月、来院回数48回、マルチブラケット法による全額矯正
治療費総額88万円(税込み)
12歳6か月に開始したにもかかわらず、3年4か月の直期の治療期間を要したのは、上顎左右7番の萌出が遅れたためでした。
下顎左側犬歯の形が個性的で尖頭が近心寄りで犬歯にしてはやや平べったい形をしていました。それが原因でかみ合わせが甘く見えますが治療結果は十分合格点に達しています。
下顎前突なので下顎大臼歯ががやや舌側傾斜し、上顎大臼歯が頬側に傾斜しています。
日本人の歯列矯正はこの症例のように叢生が激しい場合が多く、さらに歯槽突起が薄い場合も頻繁にあります。歯槽突起が細い症例では歯の動かし方はどうしても乱暴にはなれず、繊細な動きと歯科医師には注意深さが要求されます。
ですから、外国人が書いた歯列矯正の教科書をよむと、そのやり方では日本人の臨床に適さないと感じる場合が多々あります。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
歯列矯正をすることで虫歯、歯周病のリスクが高まります。歯根吸収、歯肉の裂開、歯肉の退縮、ブラックトライアングルの出現の可能性があります。
治療期間が予定より長引くことがあります。動的治療終了時の歯列は永久に保持されるものではなく、経年的に多少なりの変化があります。
装置を除去する際に、補綴物の破損、エナメル質に微小なヒビが入る場合があります。
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