矯正症例96 下顎前突傾向を伴う AngleⅠ級叢生、能代市、秋田市、北秋田市、大館市
初診時22歳、抜歯部位:上下顎左右4番、治療期間2年3か月、治療回数26回、治療費総額98万6千円(税込み)
重度の叢生患者です。どんなに上手な先生がやっても抜歯が必要です。抜かないで並べるのは無理です。
動的治療終了時の口腔内写真をみると上下顎前歯部にブラックトライアングルができているのが判ります。この症例に限らず、前歯部の叢生が強い患者に於いてはブラックトライアングルがまずできると思った方が良いでしょう。
上顎の大臼歯を遠心移動(奥に動かす)してスペースを作って前歯のデコボコを除去しようと考える人がいるかもしれません。が、それをやると7番が骨からはみ出ます。同様に、下顎の大臼歯を遠心移動してスペースを作ろうとしても、7番の遠心が歯茎に埋もれて7番の親知らず化が起こります。ですから抜歯がどうしても必要になります。
下顎前突傾向なので下顎犬歯のブラケットを左右逆に使用しています。
歯列矯正には以下のリスクを伴う場合があります。
1最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
- 2歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 3装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 4治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 5歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。ブラックトライアングルの出現があり得ます。
- 6ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- 7ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 8治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 9治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 10様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 11歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 12矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 13装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 14装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 15装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- 16あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 17治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 18矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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