噛んで認知症予防

噛んで認知症予防

噛むことが認知症予防に極めて効果的なことが数々の調査で判っています。
以下代表的調査報告を挙げます。

調査報告1 噛まないとぼける率が最大1.9倍

~厚労省研究班が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを分析~

咀嚼能力の低い人は、認知症の発症リスクが高くなる。 日本福祉大学の近藤克則教授、神奈川歯科大学の山本龍生准教授らが、平成22年度厚生労働科学研究として行った分析で明らかになりました。

調査は、愛知老年学的評価研究(AGES)プロジェクトのデータを基に、2003年10月時に要介護認定を受けていない65歳以上が対象で、4年間追跡できた4425人について、要介護認定を伴う認知症度Ⅱ以上が発症するまでの各日数や歯数、咀嚼能力、かかりつけ歯科医院の有無との関係を検討しました。噛まないと認知症のリスクが最大1.9倍になります。

調査報告2 健康な人は14.9本、認知症の疑いがもたれる人は9.4本の歯が残っている

調査は、東北大の医学・歯学両学部合同で仙台市で行なわれました。医学領域の調査は従来の血圧や血液、心電図などの検査に加え、認知機能や運動機能、精神状態、希望者へのMRI(磁気共鳴画像化装置)検査を行って総合機能を評価。また、歯科は口腔内状況と咀嚼機能、残存歯数と認知機能との関連性などについて調査しました。検査を受けた高齢者は「健康群」(652人、55.8%)、「認知症予備群」(460人、39.4%)、「認知症の疑い」(55人、4.7%)の3群に分けられました。その結果、健康群の高齢者は平均14.9本の歯が残っているのに対し、認知症の疑いが持たれた55人は9.4本と少なく、歯の数と認知症との関連が示唆されました。

さらに、検査希望した健康群と認知症予備群の高齢者195人(69~75歳)の脳をMRIで撮影し、残存歯数や噛み合わせの数と脳灰白質の容積との関係を調べました。その結果、歯の数が少ない人ほど、海馬付近の容積が減少。意志や思考など高次の脳機能に関連する前頭葉などの容積も減っていることが分かりました。

調査報告3 噛まないと脳細胞が減る

広島大学の丹根教授の研究では、正常マウスと先天的に歯の生えない大理石骨病マウスを対象として、中枢神経系の大脳皮質、海馬、視床などにおけるアミロイドベータ蛋白の沈着と海馬周辺の神経細胞数について世界で初めて検討しました。その結果、大理石骨病マウスでは、特に大脳皮質においてアミロイドベータ蛋白の沈着による老人斑の形成が多数検出されたのに対して、正常マウスではまったく認められませんでした。また、記憶・学習機能を司る海馬周辺の錐体細胞数を比較すると、大理石骨病マウスではその数が有意に少ないことが明らかとなりました。同様の結果は異なる物性の餌を与えた正常マウスでも確認され、固形餌飼育群と比べ粉末餌飼育群において、大理石骨病マウスの所見がより顕著に認められました。さらに、正常マウスを使った迷路実験の結果、ゴール到達時間が粉末餌飼育群で長くなり、実験2、3日目では有意の差が明らかとなりました。このことは、餌の物性による咀嚼を介して中枢へ伝達される刺激の差がマウスの記憶・学習機能に関係していることを強く示唆する結果と言えます。

調査報告4 噛まないと神経伝達物質が減る

北海道医療大学歯学部歯科補綴学第一講座 池田和博による老人病院での調査結果について

老人病院に入院中の41名(男10名、女31名、平均年齢82歳)を対象に、調査を行ないました。入れ歯での咀嚼状態が「不良」の群で100%、「まあまあ」で60%、「良好」で42%が「認知症」と判定されました。また、「寝たきり」の割合は、「不良」の群で78%、「まあまあ」で65%、「良好」で50%が「寝たきり」と判定されました。

これらの結果は、咀嚼機能と身体活動との密接な関連を示唆するものと考えます。さらに、使用する義歯の適否が咀嚼機能に大きく関与していることを考えあわせますと、不良な義歯を装着している患者は認知症の程度や全身状態の悪化が進行している場合が多いことを意味しています。

噛み合わせ・咀嚼が脳に及ぼす影響について

奥歯を抜いたネズミの実験で奥歯を抜いた結果、脳(海馬)のアセチルコリン濃度が下がりました。アセチルコリンというのは神経伝達物質の一つで、アルツハイマー病患者では、この濃度が低下し、記憶の状態が悪くなっていることが分かっています。?奥歯を抜いてしまったネズミはアルツハイマー病と似た状態に陥る、ということが確認されたわけですので、咀嚼できないことがアルツハイマー型認知症の発症リスクになると考えられます。

噛むことは認知症の予防になるだけではありません

噛んで誤嚥性肺炎を予防

広島大吉川教授の調査によると高齢者の無歯顎者で総義歯を使用した場合と使用しない場合とで分けて、総義歯未使用が嚥下時に喉頭侵入があることが確認されています。Pikus教授の調査では喉頭侵入がみられた患者ではその後の調査でなかった患者に比べ誤嚥性の肺炎が4倍多かったと報告されています。

この2つの調査から高齢無歯顎者では入れ歯を入れないと上手く飲み込めず、誤嚥性肺炎を起こす危険が大変高いということがわかります。2011年以降老人の死因の第3位が誤嚥性肺炎です。たとえ入れ歯でも噛む事が大変大切であると分かります。

皆さんも試しにツバをゴクンと飲みこんでみてください。このとき奥歯が触れるのが判ります。今度は奥歯を触れないようにつばを飲み込んでください。どうです?飲み辛いでしょ?高齢者は全身の筋力が衰えています。飲み込む筋力もおとろえています。ですから、もし食べ物やツバが喉頭侵入しそうになった時、むせたり咳き込むことが難しくなります。

噛んで筋力アップ、転倒予防

歯の無い(以下無歯顎と呼びます)寝たきりの老人に入れ歯を入れたら起き上がった話があります。これは奥歯が入ったからです。奥歯で食いしばり全身に力が入るからです。

人は力むときに奥歯を食いしばります。ですから奥歯がなくなると全身の筋力が衰えます。

例を挙げると背中の曲がった高齢者はほとんどが無歯顎か残存歯数が極端に少ないです。入れ歯が入っていても奥歯で噛めない入れ歯を使用しているか、普段使用せず外出時だけ使用しています。

転倒しそうになった時、踏ん張るときに奥歯でかみ締めます。その時、踏ん張れ、そして踏ん張りに答える脚力があることで転倒せずに済みます。

ですから、奥歯で噛める入れ歯を普段使用し筋力の衰えを最大限防止することが高齢者の転倒防止につながります。

広島大学吉田教授の調査で咬合崩壊した認知症高齢者に義歯を装着し転倒回数が大幅減少したとの報告があります。

噛んで栄養改善

外国では数多くの調査があり、無歯顎者に限らず奥歯がなくなると偏食になることが知られています。特に減るのが野菜果物です。繊維の多いものが減り炭水化物が増えることがわかっています。低栄養高カロリーの食事になり栄養障害(栄養失調)を起こします。

炭水化物の多い食事の問題点はうどん、そば、ご飯、パンに代表される高GI食に偏ることです。高GI食とは血糖値を急激に上げる食品のことです。血糖値が急激に上がると血液中の蛋白質と糖が結びつき、これが原因で血管の内側を傷つけます。そして動脈硬化の進行を進めます。糖尿病患者にとっても大変好ましくない食事です。

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